エンディングノートと遺言書の違いに関するQ&A
エンディングノートとは何ですか?
最近、葬儀社や信託銀行等が「エンディングノート」を盛んに勧めていますし、本屋等でも積極的に販売されていることから、見たことのある方もいらっしゃるかと思います。
エンディングノートには、ご自身の預貯金や株式等の金融資産や不動産を備忘録的に書いたり、ご家族向けに預金通帳や保険証書の有無や保管場所等を記載したりします。
葬儀に関する希望やご家族へのメッセージを書いたりすることもあります。
特に形式に決まりはないため、自由に書くことができます。
エンディングノートと遺言書は違うのでしょうか?
エンディングノートは、法的には何ら効力がありません。
そのため、遺言書とは全く異なるものです。
例えば、エンディングノートに「長男に自宅を相続させる」と書いてあっても法的な効力はありません。
法的な効力はないものの、被相続人の想いが書いてあることにより、ご遺族間で余計なもめ事を引き起こしてしまう原因になりかねません。
エンディングノートと遺言書はどちらを作成した方がいいでしょうか?
エンディングノートでは、かえってご家族・ご親族間にトラブルをもたらすことになりかねませんので、ご家族の幸せな相続を実現するためには、遺言書を作成されることをおすすめします。
遺言書の作成は誰に相談すればいいですか?
遺言を作成する目的にもよりますが、自分の死後、家族がもめてほしくないという思いがあるときは、相続の紛争案件を対応している弁護士に相談した方が安心です。
なお、法律上、有償で法律相談にのることができるのは原則として弁護士だけと定められているにもかかわらず、法律に違反して遺言書を作成している者もいるようですので、注意が必要です。
遺言書に記載しておいた方がよいことは何ですか?
弁護士の中には、相続にあまり詳しくないため、遺言書を作る際に、「予備的条項」という基本的な条項を記載していない者もいるようです。
予備的条項とは、例えば、「長男に自宅を相続させる。仮に長男が遺言者よりも先に亡くなっていた場合は、長男の孫に相続させる。」といった、仮の条項のことをいいます。
遺言では、このような仮の条項が入っていなければ、万が一、長男が先に亡くなっていた場合、長男の孫に相続させることができなくなってしまいます。
既に遺言書を作成された方であれば、このような基本的な条項が漏れていないか確認することが大切です。
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