仮想通貨の相続手続
1 仮想通貨について
ネットやニュースなどでビットコインなどの仮想通貨という言葉をお聞きになった方も多いのではないでしょうか。
現在、有名なビットコインを含めて様々な仮想通貨が発行されており、取引量の増加などに伴い、仮想通貨についての法体制が整いつつあります。
所得税法上の取扱いとしては、仮想通貨自体を使って得た利益について、原則「雑所得」になるという指針が公表されています。
それでは、仮想通貨の相続方法や相続税の取扱いはどうなっているのでしょうか。
以下、説明いたします。
2 仮想通貨の財産的価値
資金決済に関する法律により、仮想通貨に財産的価値があることが規定されています。
したがって、仮想通貨に財産的価値があることが法律上認められているといえます。
そのため、仮想通貨も相続の対象となります。
3 仮想通貨の相続方法
⑴ 仮想通貨の入手方法
仮想通貨の入手方法としては、
①取引所で購入する
②他の人から送金を受ける
③マイニングをする
という3つの入手方法があります。
一般的には、①取引所で購入することが多いと思われます。
⑵ 仮想通貨の保管方法
仮想通貨は、通常、「ウォレット」という財布の機能を有するものに保管されています。
「ウォレット」の形態は、パソコン上にあるものやウェブ上にあるものなど様々ですが、どの形態であっても、仮想通貨を相続する場合、まず相続人は仮想通貨の保管場所を探すことから始める必要があります。
⑶ 仮想通貨の相続時の注意点
前述のとおり、仮想通貨は、「ウォレット」に保管されています。
「ウォレット」に入るためには、アドレスやパスワードが必要です。
「ウォレット」のアドレスやパスワードが分からないと、残高があるのに仮想通貨が使えない状況になってしまいます。
ご自身が仮想通貨を所有している場合は、相続のことを考え、家族等に「ウォレット」のアドレスやパスワードが分かるようにしておくことも検討しておいた方がよいと思われます。
4 仮想通貨を相続した場合の相続税
仮想通貨を相続した場合に、相続税は課されるのでしょうか。
この点については、参議院の財政金融委員会において、国税庁の見解が示され、仮想通貨にも相続税が課されることが明らかとなりました。
5 仮想通貨の相続に関するご相談
以上のように、仮想通貨の相続方法や税制については、相続税が課税されることが明らかになったものの、いまだ流動的な部分も多いところですので、今後も仮想通貨に関する政府の動きを注視することが重要です。
仮想通貨の相続についてお悩みの方は、一度専門家にご相談いただくことをおすすめします。
私たちは相続に関する幅広いご相談をお受けしていますので、仮想通貨の相続についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。