名義変更手続
相続による名義変更を専門家に依頼するメリット
1 名義変更手続は相続した財産の種類ごとに行う
相続によって被相続人名義の財産を承継する場合、各財産について名義変更をする必要があります。
財産の種類によって、手続きを行う機関、提出する書類、手続きの流れ等が異なります。
今回は、相続によって財産を承継する場合の名義変更手続について、預貯金と車を例にして解説します。
2 預貯金の名義変更
被相続人の預貯金口座が判明している場合には、当該口座の金融機関に行き、預貯金の名義変更手続をします。
通常は、被相続人名義の預貯金を解約し、相続人名義の口座に振り込むという流れになります。
名義変更をするにあたって必要となる書類は、金融機関ごとに異なり、一般的には、①預貯金の解約・名義変更依頼書、②被相続人名義の出生から死亡までの戸籍謄本、③相続人全員の戸籍謄本、④相続人全員の印鑑証明、⑤被相続人名義の通帳・キャッシュカード、⑥遺言書、遺産分割協議書等が必要となります。
必要となる資料のうち、被相続人と相続人の戸籍謄本を収集するのに時間を要することもあります。
また、金融機関に行き即日で名義変更の手続ができることはなく、金融機関が名義変更依頼を受け付けてから名義変更完了までに数週間かかるケースが多いです。
一方で、被相続人名義の預貯金が不明の場合、まずは預貯金口座の有無について、金融機関に対して問い合わせる必要があります。
金融機関によっては、電話で口座の有無について教えてくれる場合もありますが、窓口に行かないと口座の有無についても回答を貰えないケースもあります。
3 自動車の名義変更
自動車の名義変更を行う場合、まず自動車の所有者を確認する必要があります。
車検証で所有者の氏名がリース会社である場合には、リース会社の契約を更新することとなります。
一方で、所有者の氏名が被相続人名義の場合には、運輸支局に行って名義変更手続を行う必要があります。
4 名義変更手続を専門家に依頼するメリット
財産の名義変更手続は、変更手続を行う機関によって必要となる資料が異なりますし、必要資料の収集には時間や手間がかかることもあります。
また、平日しか手続きを受け付けていない機関もあり、手続きをしに行く時間が取れないといった方も多いかと思います。
名義変更を専門家に依頼することで、依頼者の方は煩雑な手続きから解放されますし、慣れている専門家が行うことでスムーズに名義変更手続を進めることができるといったメリットがあります。
お忙しい方や、相続する財産の数が多い場合など、名義変更手続は専門家に依頼されることをおすすめします。